飴ノート

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将棋の勉強を継続させる動機づけ

将棋ほど継続的な努力が必要なゲームは、他にあるだろうか。対局するだけでは強くならないことは重々解っていても、なかなか将棋の勉強が続かない。

「なぜ」将棋をやっているのかを考えたことはあるだろうか。まだ20前後の頃に、とある人に聞かれてすぐに答えが出てこなかったのを覚えている。今となっては、この「なぜ将棋をやっているのか」、その理由(将棋をする意欲を掻き立てるモチベーション)によって、勉強が長期的に続くかどうかが決まるのではないかと思っている。

ところで、将棋の勉強と言っても色々ある。以下は私の思う、将棋の棋力向上に直接的に貢献するであろうアクションだ。

  • 詰め将棋
  • 必須問題
  • 次の1手問題
  • 棋譜並べ
  • 棋譜検討
  • 序盤研究

これらを見てどう思っただろうか?どの活動もやることに全く躊躇がないと感じた人は、既に将棋の勉強をするのに十分な動機づけを得ていると思う。本記事はスルーしていただいて構わないだろう。逆に辛そう、しんどそう、面倒くさいだと感じた人は、将棋に対する動機づけを考えてみる良い機会かもしれない。

以前の記事で、動機づけには「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」が存在することを紹介した。

ritaame.hatenadiary.com

 ・「外発的動機づけ」とはアメとムチと考え方で、長期的な努力の継続が難しい動機づけである。
・「内発的動機づけ」とは活動そのものに価値を見出し、長期的な努力の継続の助けになる。

さて、将棋で言う内発的動機づけとはどんなものだろうか。今一度、内発的動機づけについて整理をしてみよう。

  • 1.自分で選択しながら仕事を進められるという自立欲求
  • 2.より価値のある能力を身につけたいという向上心
  • 3.社会への貢献などの志や目標

1は詰め将棋や棋譜並べという活動そのものが「楽しい」といった感情や、そのアクションを自分自身で選択する行為そのものに喜びを感じることなどを指す。

2は純粋に将棋の心理に近づきたいといった探求心などを指す。難しい詰め将棋を解くこと。プロ棋士が着手した手の心理を棋譜から探ることなどがそれに当たる。

3は、これらの活動で将棋を強くなった後に、強くなった棋力をどう活用していきたいかということだ。そこが明確であればあるほど、継続的に取り組めるだろう。

私の場合、学生時代の将棋部だと「団体戦」などがイメージがわきやすい。
自分の1勝がチームの1勝につながる。チームで1つの目標に向かって頑張っていくことに非常に充実感を覚えていた。このように、強くなった結果、それをどのように生かしたいかという欲求を指すのが3だ。

1~3のような動機づけが存在している場合、努力を努力と感じなくなる。詰め将棋や棋譜検討などの活動そのものが楽しくなり、知らないうちにどんどん強くなっていく。

逆に注目してみよう。継続的な努力が難しい動機づけとされている外発的動機づけの代表例は、「勝ちたい」「負けたくない」という勝敗を表すものだ。このモチベーションから生み出すアクションはただ1つ、「実戦対局」のみだ。

ただし、あくまでも「勝ちたい」という欲求が存在してはいけないとは思わない。プロ棋士、アマ強豪を見ても自身を「負けず嫌い」を公言する人は多い。ただ、その奥底に将棋そのものを愛する「内発的動機づけ」が存在しているからこそ、普通の人ができないような努力を長期的に積み重ね、とんでもないレベルまで強くなっているのだろう。